AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する
四四十六茶小説



そして花弁は舞い散る -Fofo=siX=tiTY version-






ふわり ゆらりと 空を舞う
ひらひら はらり 降り来たる
風に揺られて 雲より高く
やがて地に落(お)つ 粉雪(こゆき)のように

ひらひら はらり 花が散る
ふわり ゆらりと 儚く満ちる






『いい場所を知っている』と腕を引かれ、平原のような場所まで連れて来られた。
山の中腹に位置するそこは、平原みたいな地形だから『トスケビ平原』と言うらしい。

「この季節は、花が綺麗なの」
彼女が言うとおり、周囲に生えている木々には色とりどりの花が咲いている。
別の方向に目を向ければ、一面の花畑が広がる。

特に、平原の真ん中に高くそびえる大樹からは、雨のように花びらが散って落ちていた。
…風に運ばれて、桜のような薄桃色の花びらが、ここにまで舞い降りる。

「綺麗でしょ?」
「…はい」
ざっ、ざっ、ざっ…。静かに音を立て、彼女はゆっくり大樹へと歩み寄る。
…不思議なことに、花びらは彼女を包むかのように、彼女の周りにだけ降り注いだ。

その後姿を見て、つい立ち止まる。



廊下ですれ違い、振り返ったときに見えるその後姿と何ら変わらない。
変わらないはずのソレは、神々しく、神秘的だった。
ソレは、どことなくとか、何となくとか。凄く曖昧だったけれど、しかし確かに感じたもの。

「………」
木の根元まで来ると、足を止める。そのまま、木の上を見上げた。

ざぁ…っと、木の枝がざわめいた。枝が揺れるたび、花びらが舞い落ちる。
彼女の髪に、肩に、花びらはそっと降った。

風に舞い上げられた花びらが、彼女を中心に渦を巻きながら吹き上がる。
そのまま、花びらのピンクにまぎれて彼女が消えるのではないか、とさえ思うほど神秘的な光景。



「…フレークー?フレークは来ないのー?」
「ぁ」

気付けば彼女は、こっちを振り返っていた。ほどなく、呼ばれていたとも気付く。
何故だか今日は、彼女に見とれてばかりだ。頭を振って、彼女に駆け寄った。






「…大きい樹ですね」
「この樹には不思議なものが宿ってるんだって。この山の守護精霊だって話よ」
「守護精霊?」
「火とか風とかの精霊と違って、人とか場所とか、何かを護るために存在してる精神体のこと。
だから、精霊が見えても、守護精霊が見えるとは限らないんですって」
「……この樹にも、いるのかな」
「いると思うわ。じゃなきゃ、こんなに綺麗な花は咲かないもの」
優しげな笑みを浮かべ、樹の頂上を見上げ、彼女は言う。
図らずもその横顔にも視線を注いでいたが、それに気付くと、すぐにいつもの悪戯な笑みに変わる。
「どうしたー?さっきから先生のこと見てるときはぼーっとしてるぞー?」
「えッ、そ、その、それは…」

「…くすくす。やっぱりフレークをからかうのって楽しい♪」
「ぼ、僕はおもちゃか何かですかっ!」
「わ・か・っ・て・る・わ・よ。あなたはおもちゃじゃなくて、私の生徒。…それで…」



――イチバンのお気に入り、よ…?――



「…ぜ、ぜんぜんわかってなーいっ!!」
「あははっ。だからやめられないんだな、コレがーv」
「……」
終始からかわれ、彼女はリアクションを見て笑う。






「…お気に入りっていうのは、ホントなんだけどな」









帰り際、彼女が歌うように紡いだ詩が、今も耳に残っている。



ふわり ゆらりと 空を舞う
ひらひら はらり 降り来たる
風に揺られて 雲より高く
やがて地に落(お)つ 粉雪(こゆき)のように

ひらひら はらり 花が散る
ふわり ゆらりと 儚く満ちる

空に 大地に 散る散る満ちる
小さな幸せ チルチルミチル






多分、この日からなのだろう。



僕が先生に恋をしたのは。









...fin?

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