小ネタ…?
「ちっくしょ!」
追いかけるキルシュ。
「待ちなさ〜い!!」
「追いつけねぇって。何だ、あの速さ」
追走するも、次第に引き離されるキャンディとカシス。
事の発端は、マドレーヌの発言。
「体力訓練がてら、校庭を逃げ回るブレーメンを全員捕まえてください」
それほど素早くない女子メンバー、ソルトとプラムはたいした苦労もなく捕まえた。
ラードはかなり逃げ回ったが、逃走経路を絞った上での待ち伏せで挟み撃ちにし、捕獲。
ブレッドは参加していないので、あと1人。しかしその残り1人が問題だった。
すなわち、魔法の国に生きる現代の忍者、グレープ。人呼んで、神速の夜風(嘘)。
追い詰めたかと思えば頭上を飛び越えて反対側に逃げ、ようやく掴んだソレは身代わりの丸太だったり。
挙句、仕掛けた策略や罠はことごとく見破られてしまい、第一マッハラインをかけたキャンディでも追いつけない。
「ブレッドにマッハライン使っても追いつけないなんて反則だろッ!!」
…とは、レモンの魂の叫び。もはや、ポルポタならぬコヴォマカ最速伝説である。
「…さあ、どうやって捕まえる…?」
フレークは呟いた。
「掴まらないわ、身代わりするわ、第一追いつけないわ、散々だね」
あまり気力はなさそうにカシス。
「足を止めるのはどうかしら〜?」
「無理だろ。音の魔法使おうにもぜんぜん寝ないし、魔法使ってもすぐ避けるし」
アランシアが案を出したが、すぐにキルシュはそれを否定した。
「それなら美の魔法、雷の魔法の麻痺効果を主眼に、効果範囲の広い魔法を使えばいい。
いくら相手が回避に長けていても、飽和攻撃をずっと避け続けるのはムリだと思う」
ガナッシュは『いい案じゃないか』と、賛成の様子。
「…どうやって当てる?」
グレープが口を挟んだ。
「そうだな…。ブルーカスケードに隠して、雷や美の魔法を発動させておくのはどうだろう。
それか、わざと避けさせて、体勢が整わないうちに追撃をかける…ってところかな」
「あと一歩の工夫がほしいところだな」
「そうか?それなら…波状攻撃ならどうだ?広い魔法からフラッシャー、また広い魔法…って感じに」
「俄仕込みにしては上出来だ」
「グレープにそう評価されたなら大丈夫だろう。コレで行くけど、いいか?」
「よーっし!これでグレープを捕まえられる…ぜッ!?」
拳を突き上げ、やる気満々のキルシュ。が、直後にあることに気づいた。
「まだまだだな」
グレープはそう言って、走り去ってしまった。
木を隠すには森の中、人を隠すには人の中。