AIで楽曲を楽器やボーカルに分離する
リレー小説



漆黒の詩 -シッコクノウタ- 3



「あら、あなたたち……」

 ありがたいことに、マドレーヌ先生は職員室にいた。
 息切れし上下する肩を静めつつ、4人が彼女を見やる。
 マドレーヌ先生は状況を把握したのか、4人が落ち着くまでその様子をじっと見ていた。



「お化けが!!」



「……お化け?」
「幽霊が!! 先生!!」
「まだ落ち着かないかな? 言ってることがわからないぞー?」
 ノエルが大声でそういうと、マドレーヌ先生はちょこと首を傾げてから、
 ノエルの頭をゆったりと撫でてやった。
「落ち着いて、ほら。深呼吸。……一体何があったか、分かり易く説明してちょうだい?」
「それが……」


 フレークが中心となって、マドレーヌ先生に説明をし。
 時折他の3人が話してくるのも耳に入れながら、彼女は何があったのか理解したようだった。
 数回頷いてから、窓に近寄り、下を眺め。

「それで、ティンブラ? 説明してちょうだいな?」

 マドレーヌ先生がある一点を振り返ると、そこには、回転椅子に座ったティンブラいた。



 ――いつの間に?



「ぷっ……。ふくく……。あはははは! 君たち、怖がりだなぁ!!」
「な……っ!!」
 そして、その綺麗な顔を崩して、指を指しつつ笑う。
 ティンブラは「ひー、おかし」と言いながらどうにか笑いを抑えようとしているようだった。
「で?」
「で? って、言われてもなぁ。マドレーヌ、顔が怖いよ」
「私はどうだっていいのよ。まったく、私の生徒達に危ないことをさせて……」
「全然危なくないさー」
 ぶつぶつと言い始めるマドレーヌ先生と、
 回転椅子でくるくる回り始めるティンブラと。
 4人は2人を数回交互に見てから、お互いに見つめ合って、溜め息を吐いた。



「でさー、そのモンスターってどんなヤツだった?」



「もちろん、ヒトの形をしてたわよ」
 あなたの言った通りにね。
 シュガーがそういうと、また、微かにティンブラの肩が震えた。
「銀髪だった? それとも、深緑だった? 髪の長さは?」
「暗かったし……そんなの、見えなかったよ」
「むー。残念」
 マドレーヌ先生は、頬を膨らませたティンブラを見て、盛大に溜め息を吐いた。
 とにかく。
 そういって、ティンブラの鼻先に指を突きつける。
「今後、一切、私の生徒達に危ないことをさせないでちょうだいね!」
「おやおや。危ないことっていうのは、若いうちにしか出来ない、特権さ!」
「もう! 何が特権よ!」
「えーっと……それで……」
 もしかしなくとも、マドレーヌ先生とティンブラは、本題を忘れているのではないだろうか?
 ふいに4人にそんな考えが浮かんだが、あえて、無視しておく。
 ティンブラは回転椅子から立ち上がると、ふと、窓の外を眺めた。



「今宵は、綺麗な星月夜だね」



「え……?」
「ん?」
「だって、さっきまで、星なんて……」
 と、ティンブラの言葉に。
 ノエルは窓まで駆け寄ると、それを開け、顔を出して空を見た。


 ――輝く星々。

 そして、月。


「……あの時は、星や月なんて出ていなかったはずよ」
「うん。シュガーの言う通り。真っ暗だったしね」
 シュガーとフレークがお互いを見て頷くと、ノエルとローレルは首を傾げた。
「なんだったんだろう……ね?」
「……さぁ……?」



「……?」

 木々が、ざわめいている。
 何かとてつもない気配を感じ取って、少年は、ふと目を覚ました。
 それがなんだったかは、分からない。
 けれども、何か、とてつもなく嫌な予感がした。
「なんだったんだ……?」
 ガナッシュは窓辺まで近寄ると、
 キラキラ輝く星と月を見、目を細めて遠くを眺めた。


「……いったい……なんだったの?」
 それは、ヒトじゃない気配。
 あるいは、昔感じ取った恐ろしい心と似たような、心。
 オリーブはベッドに座り直すと、辺りをきょろきょろと探った。

 変わったところは、ない。

「学校の……中?」
 それとも、外だったろうか。
 一瞬しか感じ取れなかったそれに、何故だか、悲しみがこみ上げてくる。
 よく分からない、感覚。
「これから……何かが始まろうとしてるの? それは……何?」
 オリーブは毛布を引き寄せると、
 カーテンの隙間から覗く空を見上げた。





next

Back