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リレー小説



渡る世間は金ばかり? ブレッドのエクスカリバー編




「ねぇ、ブレッド」
「ん?」

少女に呼び止められ、男性が振り返った。

「ブレッドの魔法って、神話の武器を創り出して、それを使って攻撃するのよね?」
「厳密に言えば違うが…まあ、似たようなものだろう」
どう説明したものか。…呟いて、少し考えてから、ブレッドは話し始める。

「魔力を『武器という器』に閉じ込めた状態で創り出して、
その魔力を一気に開放することで攻撃している。
たとえばエクスカリバーなら、切っ先から魔力を伸ばして長い刀身にするし…
ミョルニルだと、ちょうど爆弾のように魔力を爆発させている」

言ってみれば、ボムみたいなものだ。そうまとめて、説明を締めくくった。
「…で、それがどうかしたのか、パナシェ?」



「やっぱり…それってさ」
「?」

見ればわかることなのに、あまつさえ実際に何度か見せているのに、あえて尋ねてくる意図がわからない。
ブレッドはそんな事を思いながら、少女の返事を待っていた。

…この時、ブレッドはまだ少女の…パナシェの『癖』を知らない。









「売れる?」

「…。は?」



唖然。



「そらきた」
「全然懲りないのね、パナシェ」
「ナントイウカ、モウ、カッテニヤッテロッテカンジデスナ」
「ホントホント。将来、宝石商か何かになればいいんだよ、パナシェは」
「…ニセモノ売りつけたりしそうでなんか怖いノ」
突き刺さる5つの冷たい視線。









「…どう?売れる?」
パナシェの瞳が揺れる。俗に言う熱視線…だろうか。

「丁度いいわ。ここはガツンと説教してもらって、少しはパナシェのアレを鎮めなきゃ」
「だよなぁ。毎回毎回、振り回されるのもキツいって、いい加減」
シュガーとポモドーロ、いい加減うんざりしてる模様。
「どんな風に説教すると思う?『魔力の塊だから本物じゃない』とかって懇切丁寧に教えるのかなぁ?」
「ブッチョウヅラエデ『何を考えているんだ、おまえは』ノヒトコト…ニ100ブラー」
「ぁ、じゃあボクは適当にはぐらかすに150ブラーなノ」
ついには賭けまで始める。…もっとも、手持ちのお金はパナシェが管理しているため、シミュレーション…である。









「…売ってみるか?」

「「「「「!?」」」」」

ブレッドの口から飛び出したのは、予想だにしない一言。
円陣組んでひそひそ話していた一同が、思わずばっとブレッドのほうに首を向ける。



「えっ!? ホントに売れちゃうの?」
「だから、試してみろと言っているのさ」
ブレッドの掌から、光が棒状に伸びていく。次の瞬間には、本当に剣になっている。
豪華でいて神秘的な装飾を施され、剣自体が淡く光を放つ、遥か古の聖剣。

名をエクスカリバーといい、その知名度は、原典であるアーサー王伝説よりも上かもしれない。







剣を抱えて、見る間に遠ざかっていってしまったパナシェ。



「…後でどうなっても知らないぞ…と言おうとしたんだが、な」
ブレッドはというと、悪戯が成功した子供のように、無邪気ともいえる含み笑いを浮かべている。
「だ、大丈夫なのかよブレッド!?」
慌てるポモドーロ。
「アレってブレッドの魔力を、剣の形に組み替えた『だけ』ものなんだろ?」
「ああ。たとえ創り出したまま放っておいても、いつかは魔力切れで『無』に還っていくだろうな」
平然と返答。
「…じゃあ、どうして?」

「恥をかけば、多少なりと自粛はするだろう」









…パナシェが持っていったエクスカリバーがその後どうなったか、当事者たちは今なお何も言わないとか。









終?

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